ロレックスが正規認定中古制度を開始!

歴史・メンテナンス性の高さ・確かな需要によって、腕時計は中古(二次流通)市場を確立してきました。

この中古市場、近年、世界規模で急速な成長を遂げております。

中古市場の流通価格は基本的にはメーカーの定価に縛られないものとなります。新品に比べれば安く、あるいは現行にはない希少な個体は、莫大な価格で売買される傾向にありました。

しかしながら、この巨大市場をメーカー側も無視できなくなったか。なんと、ロレックスが正規認定中古制度に乗り出したというのです。

この記事では、ロレックスから公開された認定中古制度についてご紹介するとともに、今後のロレックスの二次流通相場への影響を考察いたします。

アンティークロレックス エクスプローラー コピー 1016

ロレックス 正規認定中古制度の概要
ロレックスから発表された、認定中古制度(Rolex Certified Pre-Owned)の概要は下記の通りです。

真正性の保証
認定中古制度と言った時、ユーザーにとっての最たる利点は「真贋の保証」ではないでしょうか。

認定中古制度について簡単に解説すると、厳格な基準や検査を設ける第三者が、その中古品に対して「真正性」や「品質」にお墨付きを与える制度です。

腕時計で「正規認定中古」といった際は「第三者」がメーカーとなり、あるオーナーからメーカー自身で買い取った中古品を、メーカー自身が検査して「真正性」「品質」を保証したうえで販売する制度となります。

ロレックスはこの度Rolex Certified Pre-Owned(認定中古制度)を立ち上げ、ロレックス自身で真正性および正常な動作(品質)を保証する、と。

ロレックスは「すべてのロレックス製品に適用される品質基準を満たしていること」「ロレックスのワールドワイドネットワークのノウハウとプロフェッショナリズムを反映した時計であること」を保証すると語っています。

現段階ではどの程度までの品質保証(精度や外装コンディション)となるのかはわかりませんが、ロレックスのことですから、中古であろうとなかろうとハイレベルであろうことは間違いありません(もっとも、現在出回っている中古ロレックスの品質は、とてもハイレベルですが)。

Rolex Certified Pre-Ownedで保証された製品には、ホワイトとグリーンがツートンになったタグが付属されるとのことです。

出典:https://www.rolex.com/ja/buying-a-rolex/rolex-certified-pre-owned.html

併せて、Rolex Certified Pre-Ownedの製品は、2年間の国際保証が適用されるとともに、やはりホワイト×グリーンの保証カードが付けられます。

なお、Rolex Certified Pre-Ownedの対象製品は、正規販売店での購入より3年以上が経過していることが条件となっているようです。製造年による差別は今のところは聞かず、ヴィンテージから現代ウォッチまで幅広く取り扱いされることを期待します。

Rolex Certified Pre-Ownedのスタート時期は2022年12月初頭より。

一部の国でのBucherer(ブッフェラー)でまずは販売とのことですが、日本語でもプレスリリースされているということは、わが国でもスタート間近でしょうか。

また、フランクミュラーの正規認定中古精度のように、下取り(買い替え)サービスなども今後視野に入れられているのでしょうか。

ロレックスからの続報を待ちましょう!

ロレックス 認定中古制度が与える相場への影響
ロレックス GMTマスターII 16710

冒頭でも述べたように、近年の中古市場の拡大は非常に目覚ましいものがあります。そして、この成長を牽引しているのがロレックスです。

一方で、一部(ことロレックスに限っては、多くのモデルでと言った方が良いかもしれません)のロレックスウォッチは狂騒的な相場を記録しており、定価や当時の実売価格をはるかに上回るような相場感が当たり前となってまいりました。

もともと「生産終了したロレックスは価格が上がる」といった傾向はありました。しかしながら近年では、これが加速している状況にあります。

こういった状況の中で、ロレックスの正規認定中古制度は、どのような影響をもたらしていくのでしょうか。

気になるのが、ロレックス自身の「再販価格」です。

当然ながら、ロレックスによって認定された中古品はロレックス自身で価格を付けて販売することとなりますが、ロレックスは現状の狂騒的な相場を決して良しとしておりません。現状の相場感を加味して販売するとなれば、新品よりも高い値付けとなるモデルも少なくなく、新旧で価値が逆転してしまう可能性があるためです。

認定中古制度は、ブランドや製品の「価値」を守るといった側面もあります。

反面、現状ロレックスに関して言えば中古相場もまだまだ高く、こういった状況下において相場をコントロールするのは、なかなか難しいようにも思われます(とは言えロレックスとしては、認定中古制度の目的はコピー品や改造品の一掃でしょうが)。

ロレックス デイトナ 116520

ロレックスの認定制度中古のスタートによって、認定中古品が二次流通市場で高値売買されるようになるのではないか(特別なタグ・保証カードもつくことですし)・・・
また、認定中古制度の登場によって、ロレックスの中古製品への注目度がいや増し、需要・ひいては相場高騰の起爆剤となってしまうのではないか・・・

そんなことが予測されます。

なお、認定中古制度は「正常な動作」となるよう品質保証されるとのことなので、既に夜光が光らない針・文字盤などを代表に、交換パーツが発生するのでしょう。
ロレックスは現在のメンテナンス時も、正常動作を前提としており、パーツ交換を意欲的に行っています。

そうなってくると「オリジナル性」といった面では、現状の二次流通市場に軍配が上がるように思われます。

さらに疑問なのが、近年ロレックスは年式の古い個体(手巻きデイトナ等)のメンテナンスについて、全てを受け付けるわけではなく「いったん預かり」などといった措置を取ることが往々にしてあります。ロレックスは永久修理を掲げているわけではなく、パーツ保有期間があるため、致し方ない面もありますが、認定中古制度においてはアンティーク品などがどのような扱いになるのか気になるところ・・・

これまた、今後のロレックスに要注目です!

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