アンクルにそれぞれ異なる傾斜が付けられたことで、優雅かつ独創的な回転を見せる。

流体機械式高級腕時計ブランドであるHYTは、新作モデル「コニカル トゥールビヨン・パンダ」を披露した。ホワイトセラミックコーティングが施されたチタンケースに、ホワイトアゲートを周囲に持つセンタートゥールビヨンを内蔵したコンプリケーションだ。ブランドを象徴するユニークなメカニズムと、白と黒の際立つコントラストを特徴とする本作は、わずか8本のみが限定販売される。

 本作でまず目を引くのが、ダイアル中央に配置されたコニカルトゥールビヨンだ。そのテンプとヒゲゼンマイは30度、ガンギ車は15度、アンクルは23度、水平から傾いている。この独創的なメカニズムは、30秒に1回転する。また、ダイアル外周部には、ホワイトの瑪瑙(メノウ。アゲート)で作られたアワーメタルリングとガラス管が配置されており、そこに流れるブラックの流体によって時分が示されるメカニズムとなっている。

本作の傾斜したトゥールビヨンは、ドイツの時計師ヴァルター・プレンデル発案の技術に由来するものだ。彼の技術からインスピレーションを得た本作は、テンプとヒゲゼンマイ、ガンギ車、アンクルにそれぞれ異なる傾斜が付けられたことで、優雅かつ独創的な回転を見せる。
 そして、このセンタートゥールビヨンの周囲には、白瑪瑙とも呼ばれる天然のホワイトアゲートが配置された。このホワイトアゲートは、トゥールビヨンに合わせて惑星のように回転し、舞踊のような動きを見せるユニークな仕掛けとなっている。それぞれの回転は一見ばらばらに見えるが、コニカル トゥールビヨンのリズムに合った、調和のとれた動きで着用者を楽しませてくれる。

 さらにダイアルは、チタン製トゥールビヨンキャリッジにはじまり、面取り、引抜き加工、ポリッシュ仕上げ、サテン仕上げを施した受けや、磨き上げたネジの皿穴など、高級腕時計製造の伝統を受け継いだ装飾が見られる。トゥールビヨンキャリッジ内には磨き上げられた白黒の球が6つ配置されるなど、各所に独創性が際立つ仕上がりだ。また、これらを内蔵するケースはチタン製で、ホワイトセラミックコーティングによって、「パンダ」の名にふさわしい白黒のコントラストが演出されている。https://www.gmt-j.com/item/maker/list

 搭載するムーブメントCal.701-TCは、合計533個もの部品で構成される。トゥールビヨンキャリッジだけでも159個もの部品が使用されており、ダイアルとケースも含めるとその部品総数は750個にまで上る。そのすべては手作業で組み立てられており、品質も保証済みだ。限定生産8本という稀少性にふさわしい、ブランドコピー市場の技巧を象徴するマスターピースと言える。

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